一般社団法人 久喜青年会議所

POLICY SPEECH

理事長所信

第46代理事長

柳澤 弘利

はじめに

私たち一般社団法人久喜青年会議所は昨年度45周年の節目を迎え、記念事業として第52回埼玉ブロック大会久喜大会を開催して地域に元気を伝播して参りました。この45年間の積み重ねは創始から続く「元気」を合言葉に活動し、地域の課題に向き合い続きて来た先輩諸兄姉の汗と涙の積み重ねです。先輩諸兄姉への感謝と共に私たちも次なる50周年を見据えながら一歩一歩着実に未来に進んで参ります。その第一歩となる本年は久喜青年会議所にとって非常に重要な挑戦の一年となります。久喜青年会議所の未来が輝かしく持続可能なものとなる為に、私たちのアイデンティティである「元気」を強く発信しながらまちづくり運動に全力を尽くす所存です。


2022年度は「未来志向」の精神で激動の1年を突き進んで参りました。アフターコロナと表現されるように新型コロナウイルスに向き合い、このまちと子ども達の為に尽力し、その活動の中で行政、友好青年会議所、関係諸団体、市民の方々の協力とご指導をいただきながら関係をより強固なものにしました。このまちの未来のために毎日をより良く生きようとする希望と前を向いて進む勇気を人々に与えて参りました。
依然として残る新型コロナウイルス禍において地域経済の停滞感や行動制限による不安感のある中で私たちは生きています。一方でその中から生まれた新技術を上手く生活と融合して参りました。また、私たちが住み暮らす地域は交通面で高い利便性があり、都心へのベッドタウンとしての姿と住宅地を離れれば田園風景広がる自然豊かな地域でもあります。この地域だからこそ未だ発見されていない魅力が数多く存在すると考えます。そんな魅力を発掘する事業を展開します。また市民と協働による事業を通して地域に対する市民意識を変革して参ります。そして、これからを生きる子ども達は経済格差等による学ぶ機会の格差により能力発揮機会の不均衡が起きています。子ども達に深く学ぶ機会をつくり、子ども達が能力を発揮し逞しく生きる力を身に付ける必要があります。


2023年度はこれまでの久喜青年会議所の伝統である元気のある挨拶や事業においてとにかく足を使ってとことん物事を探求するといった良い部分を踏襲しながらWEBのさらなる活用やSociety5.0といった新たな試みに先駆性を持って取り組んで参ります。しかしながら仕事でも青年会議所活動でも利便性ばかりに目を向け、一部手を抜いたり、実現可能性が高い方向に目が行きがちではないでしょうか。失敗してもいいからやってみよう、チャレンジしてみようという気持ちが低下していないでしょうか。今一度気持ちを奮い立たせ、夢我夢中になる程に本気でまちづくり事業や自身の成長に向き合っていこうではありませんか。夢我夢中とは将来の夢を描きながら物事に真剣に向き合う姿勢を示します。夢我夢中にこの地域にインパクトを残すには本当にこのまちを良くしたい、本当に子ども達に未来に対する明るい展望を描いてもらえる様になってもらいたいという気概を持って取り組まなければなりません。その為には私たち会員が人間的に成長し、地域に良い影響を与えられる原動力となる必要があります。また地域をより良くする力を波及する為には一人でも多くの同志を募っていく必要があります。個の力を高め、会として力を結集することで地域に明るい豊かな未来を描いて参ります。昨年新たに制定された中期計画であるビジョン2027では「笑顔溢れる地域」創出をテーマにしています。本年はその1年目として久喜青年会議所が一丸となって笑顔を生み出して参ります。私たちが持続的に地域の課題解決を行い続けるには私たちが現状のままではなりません。高度情報化社会の中で現状維持は退化するに等しいと考えます。私たち久喜青年会議所の会員が地域課題に向き合い解決に導くにあたり、更なる人間的な成長と意識変革が重要です。今までも様々な挑戦の機会から成功や失敗を繰り返しながら成長してきた私たちですが、本年は夢我夢中に物事に向き合い、個の力を高めながら力強い組織づくりを行います。また地域の方に久喜青年会議所の活動をHPやSNSを活用して久喜青年会議所の活動を周知する発信をしていますが、依然久喜青年会議所を知らない市民が大勢います。地域課題解決に向けたまちづくりを行う団体として認知いただく為に「#元気プロジェクト」を立ち上げ、久喜青年会議所が一つのブランドとなる様ブランド化戦略を立てます。「#元気プロジェクト」を通して久喜青年会議所をもっと地域の方々に知ってもらい、久喜青年会議所の活動がもっと地域にインパクトを与えられる様、とことん探求して参ります。


地域に笑顔を創る為に今ある現状に満足することなく飽くなき探求心を持って挑戦し、夢我夢中になってこの地域を牽引して参ります。

探求する組織づくり

青年会議所が様々な事業を行う上で組織運営の根幹となるのが総務です。昨今は新型コロナウイルス禍においてデジタルの世界は劇的な進歩を遂げ、我々もWEB活用やペーパレス化により効率化が進みました。これらを上手く活用し総務においては会の運営の大黒柱として中枢を担いつつ、時代に合わせた新たなやり方を探求しながら取り組み、久喜青年会議所がより確かな運動発信を出来る組織づくりを行って参ります。
久喜青年会議所の運動を最大限にするにはもとより凡事徹底が大切です。凡事徹底を土台に様々な取組みを行って参ります。まずは理事会の非固定化と見える化です。非固定化とは通常はJCルームで行いますが時には別会場やWEBを取り入れた画期的な方法での開催を模索します。また状況に応じて時間帯の変更等を模索します。いつもと異なる環境の中で起きる現場対応等もありますが、その中で考えながら設営することで見つかるやり方や新たな発見があります。見える化とはWEB環境を整備し、理事以外の会員もオブザーブ出来る環境を作ります。理事会の答弁を見聞き出来ることは会員にとって大きな刺激になり、より良い事業構築に繋がると考えます。各委員会が議案書上程マニュアルに則り精度の高い議案構築が求められます。良い事業構築の為に議案書フォーマットに内容変更が必要ならば積極的に変更して参ります。また効率的に議案書の作成や閲覧を行える新たなやり方を探求して参ります。

 

本年は企画内容をより確かなものにし、議案を昇華されたものにする為に財政審査会議に替わりブラッシュアップミーティングを行います。ブラッシュアップミーティングには各委員会の委員長がチームメンバーとして参加し企画に議論を重ねます。より良い事業構築を目指し時には財務面や企画内容を厳しい目線で見て参ります。

 

また、久喜青年会議所にとって重要な3回の総会を担当します。久喜青年会議所の「元気」最大限に発信して総会を実施して参ります。元気の良い総会を行う為に本年もセレモニーチェックを行います。全員が自信を持って唱和できる様に総務委員会がその牽引役として取り組んで参ります。

 

青年会議所運動の発信力を最大限に発揮出来る様、飽くなき探求心を持って試行錯誤しながら逞しい組織づくりを行って参ります

夢我夢中に取り組むまちづくり

私たちが住み暮らすこの地域は「トカイナカ」と呼ばれる都心から1時間圏内の高い利便性がある地域であり、また多くの自然に出会える非常に恵まれた地域です。この地域には未だ隠れた魅力が数多く存在すると考えられます。市民にとって地域の魅力を発掘することは市民の地域愛を醸成することに繋がります。また少子高齢化の影響で地域コミュニティの担い手が減少しています。事業を通して新たな交流の機会をつくることで地域の活性化とまちに対する市民意識の変革が求められます。


まず、私たちの住み暮らす地域は各エリアにそれぞれの特性を持った地域です。その特性はオリジナリティとポテンシャルを秘めています。そんな地域特性の中にある市民の人々が普段は見逃してしまっている隠れた魅力が数多く存在すると考えられます。場所、モノ、ヒトに関する隠れた魅力に対し、探求心を持って過去に蓄積された記録を辿ることや実際に足を運んで得たことで生まれる新たな発見から市民の見識を広げます。地域の魅力を発掘することにより、市民の地域に対する地域愛を醸成するきっかけをつくる事業を行って参ります。
次に、久喜市の調査によると市民ニーズの多様化や生活環境の変化等により地域社会が大きく変化する中、市民の地域の関り方が見直されており、市民参加による地域活性化の推進が必要です。久喜青年会議所と市民が夢我夢中に協働で事業を行うことによる市民交流の機会を創出します。世代を超えて一緒になってつくり上げ、その喜びをみんなで享受しあえる場をつくります。地域の事業に強く関り当事者意識を持って事業を成し遂げることによって、市民の地域に対し主体的に関わる意識を醸成し、地域に活気を与えて参ります。


まちづくり運動を通して地域団体や市民との関りをより強固なものにし、私たち会員自身が夢我夢中にまちづくりに取り組むことで事業の達成感とまちづくり運動を行い続けることの大切さを得ていきます。このまちを好きになりもっとこのまちをより良いものにする為に考え行動に移す心を醸成して参ります。

夢我夢中に同志を求め、人間力を高める拡大アカデミー

久喜青年会議所は45年に渡りこの地域の課題解決に向けたムーブメントを起こしてきた団体です。その大本は一人ひとりの会員の力の結集です。40歳で卒業のルールのある私たちは拡大活動を行わなければ人数が減少の一途を辿り、地域に力強いインパクトを与えられなくなります。ムーブメントを起こし続けるには新たな会員の拡大と同時に入会浅い会員の育成が必要不可欠です。


拡大活動とは「その人のため」を第一に考えて行います。入会したほとんどの会員が久喜青年会議所の大きな「益」を受けたに違いありません。それは生涯の友と呼べる仲間が出来ることや自身の成長、事業の拡大と得るものは様々と考えます。そんな貴重な益を得られる機会をこれから入会する人に提供出来るのは久喜青年会議所の会員と先輩諸兄姉といった関係者に他なりません。本年は拡大目標を20名にし、達成に向けてのアクションを起こします。まずは拡大マニュアルを作成し、拡大マニュアルに則って行動出来ているのか都度確認し、変更ある場合は随時変更して参ります。目標に向けた進捗を確認し、絶対に20名達成するのだという強い気持ちを持って行動に落とし込みます。本年度はオブザーバー交流会を定期開催し、セミナーと組み合わせる等その都度オブザーバーがつい参加したくなる内容を探求しながら行います。また、本年度新たに試みる広報で活用する地域部会を拡大にも活用し、その地域の活動の中でオブザーバー情報を獲得して参ります。過去から続くオブザーバーリストは情報の財産です。常にブラッシュアップしながら活用し、内容の共有に工夫をすることで会員が常に最新の状況を把握出来る環境を作ります。


刻一刻と変化する社会で私たちが青年経済人としての役割を果たし地域に必要とされる存在である為には会員一人ひとりの成長、即ち人間力の向上が不可欠です。人間力とは自立した個のことであり、自立した個となる為には物事に対しひた向きに突き進むことが出来る力が必要です。何故ならば高度情報化社会の中で青年経済人として何が正しいかを常に取捨選択しながら決断し、行動に移さねばならないからです。結果がどうあれ物事に対しての向き合い方が変わります。そんな人間力溢れる個の育成を行って参ります。
昨年は45周年記念事業として埼玉ブロック大会を開催致しました。開催翌年の本年は埼玉ブロック大会三郷大会の副主管として、その経験と知識を如何なく発揮して大会を成功に導いていかねばなりません。前年度を超える素晴らしい大会となる様に運営面から支えて参ります。
久喜青年会議所は毎年多くの会員を迎えています。近年の新型コロナウイルスの影響もあり、リアルでのコミュニケーションの減少と平均在籍年数が4年弱といった中で久喜青年会議所の歴史や伝統を学ぶ機会がなかった会員が増えています。青年会議所の仕組みや久喜青年会議所の歴史、文化を入会の浅い会員に教育する為に本年も2020年度入会以降の会員を対象にアカデミー塾を設置します。アカデミー塾を通して青年会議所活動の意義や楽しさを理解し、学んだことを実践していくことで将来久喜青年会議所を引っ張っていく人財を育てて参ります。

夢我夢中に探求心を育む青少年育成

久喜青年会議所活動エリアの教育振興計画によると、昨今の人口構造や社会構造が大きく変化する中でこれからを生きる子ども達に求められるのは社会的に自立し、自身の持てる力を最大限に発揮することです。しかしながら、生活環境によって学ぶ機会に格差が起き、それにより能力発揮機会の不均衡が起きています。変化激しい世の中で子ども達が逞しく生きていくには自身の可能性を信じ主体性を持つことと知的探求心を持つことが必要です。


まずは子ども達の主体性を持ってやり遂げる力を育みます。主体性とは自ら責任を持って行動する態度や性質を言います。現代は情報技術の革新で利便性が高まりました。ネットで検索すれば楽に答えが得られる様になった反面、自らが主体的に考え、答えを導く機会が減りました。物事を受動的に捉えるのではなく、子ども達自身が「これ」と決めた考えに対して前向きな気持ちで挑戦し、その挑戦の過程で挫けそうになったとしても這い上がれる、最後までやり遂げる力を養う事業を構築することで主体性を身に付けるきっかけを与えて参ります。
次に、子ども達が時代を生き抜く為に真に必要とされる力を発揮するには、画一的な教育でなく子ども達自身が自ら学ぶことが大切です。子ども達が夢我夢中になる程に学ぶには、まずは興味を持ちワクワクした心を持つ必要があります。子ども達が自ら学ぶ為のきっかけづくりとして子ども達がワクワクする知的探求心に火を灯す体験を通じた事業を展開して参ります。体験から知的探求心に火を灯し、知識と経験を得ていきます。その知的探求心が日頃の学びに対してもっと学んでみたいという気持ちを醸成する事業を構築して参ります。


子ども達が夢我夢中になって取り組む事業を私たちも共に体験することで私たち自身も学び続ける、自己成長の意識を持つことと自らの出来事に知的探求心を持って取り組む気持ちを醸成して参ります。

夢我夢中にブランド化を求める広報

久喜青年会議所は45年間地域の課題解決に向け、地域市民向け、また青少年に向けて様々な事業を展開し、地域に貢献してきました。それを広報として圧倒的な量かつ高い質を求めた情報発信をしており、SNSのフォロアー数に現れる通り久喜青年会議所を知る市民も増えています。しかしながら久喜青年会議所がどんな団体でどんな活動をしているのか未だ理解いただいていない現状があります。だからこそ久喜青年会議所が「元気」を合言葉に地域にインパクトを与える団体であることをブランド化し周知する必要があります。


久喜青年会議所と言えば「元気」、久喜青年会議所の会員の活発さとこの地域の元気を見つけ出し、発信する「#元気プロジェクト」として事業を通して広めていく活動を行います。既存のツールに捉われることなく、リアル×WEBを駆使したブランド化に向けた戦略を立て実行に移して参ります。特に久喜青年会議所をより多くの市民に知っていただく為に年間通して地域の目に触れる機会を創出します。時代に合った広報として時に最先端技術を組み合わせる等、新たな目線で広報に取り組んで参ります。


また、本年もFacebook、Instagram、YouTubeを活用して情報発信致します。また、新たなツール活用も視野に入れたいと考えます。時には地域の別団体、行政、個人と手を取り合い、協働で市民の方々が目を引く情報や愛される情報を届けます。その結果としてSNSのフォロアー数を対前年比で200%増、そこからリンクで飛んでくるホームページの閲覧数を前年比で120%増を目指します。これを達成することで久喜青年会議所がまちづくりで地域にインパクトを与える団体としての認知度向上と事業の集客に向けた情報発信、また地域の新鮮な情報をより多くの市民の方々に知ってもらうことが出来ます。久喜青年会議所から発信される魅力的な情報で市民がこのまちをもっと好きになる様、事業を構築して参ります。


さらに本年は新たな試みとして広報発信に向けた地域部会を設置します。私たちの活動エリアは各地域に多彩な魅力を持っています。それはその土地、伝統、モノ、住まう人と様々です。時期を逃すことなく各地域の魅力を地元から最大限に発信することで魅力を知ってもらい、地域毎に刺激しあいながら相乗効果を生み出してより発信力を高めて参ります。
ブランド化戦略を実践する中で、会員がこの地域をもっと好きになり、また久喜青年会議所で活動することが誇らしく思う、夢我夢中になれる広報を展開して参ります。

おわりに

私たち久喜青年会議所の会員が青年として活動出来るのは40歳までです。人生100年時代の中で折り返しにも満たない年齢ですが、日々の生活の忙しさに感けて惰性に過ごし、気づけば夢我夢中に何かに挑戦することを忘れていないでしょうか。世の中が絶えず変化をしてる中、今に満足して現状維持のままでは衰退するに違いありません。諸行無常の世の中で時代に淘汰されることなく、私たちが先駆性を持って未来を切り拓いていくべきではないでしょうか。


私たちが子どもだった頃、誰しもが我を忘れるほどに熱中し、あっという間に時間が過ぎていた経験をしていると思います。大人になってからはどうでしょうか。夢中になれない原因として周りの目を気にする、失敗を恐れて自分の心にフタをするといった心理的要因があると言われています。昔は失敗を恐れずにやっていたのに今は出来なくなってしまっていませんか。熱中する程の探求心を持って行動出来なくなっていませんか。それは長年生きてきた中で得た経験が固定観念として邪魔をしているからに違いありません。そして自分にとって心理的な高いカベが現れた時にどうせ出来ないからと心の何処かで諦めてしまっているから夢我夢中になれないのです。私たちは貴重な時間やお金、労力を未来のまちや子ども達、自らの成長に投資しています。また家族や職場の強力なバックアップのお陰で青年会議所活動が行えています。折角そんな貴重な機会を頂いているのですから、まずは周りに感謝すると共に、これからの未来を切り拓く青年として固定観念をぶち壊し、飽くなき探求心を持って夢我夢中に挑戦し、大きなカベの遥か上を超えて参りましょう。