POLICY SPEECH

理事長所信

第43代理事長 有馬健二

2020年度スローガン

はじめに

「人類への奉仕が人生最善の仕事である」これは、JCI綱領として明記された青年会議所運動の根源となる精神です。
久喜青年会議所の歴史は、創立から今日まで、「元気」を合言葉に活動地域に住まう全ての人々が幸せに暮らせるよう、
様々な個人や団体との「信頼」を築きながら、輝かしいまちの未来を目指し紡がれてきました。
重ねてきた地域からの「信頼」は、現在の我々の運動発信の礎となっている事は言うまでもありません。
これは、先輩方の想像を絶する苦労と、多大なる努力を以て築き上げられてきたレガシーである事に会員一人ひとりが想いを馳せ、
先輩方の魂を受け継ぐ事で、勝ち得てきた地域からの「信頼」を更に深化させる事が肝要です。
同時に、未来を創り上げる若い組織として、地域の問題を構成する背景を冷静に分析し、それを解決する現代的なシステムを駆使する事で、
実績に基づく新たな「信頼」を創出し、さらに愛する地域のために運動を進化させて参ります。
2019年度の久喜青年会議所は、「情熱」を胸に、燃え滾る熱い気持ちで全ての会員が先頭に立って物事を行い、
模範を示して行動する事を目標に運動を展開して参りました。その過程において、我々はまちの発展を主導する者として、
「活動エリア周辺を取り巻く環境」や「地域に住まう人たちの生活」、「子ども達が成人する頃の地域」についてこれまで以上に知り、考える機会を得ました。
未来に何が起こるかを知る事は容易ではありません。
更には、不確定な地域の未来に対して、今現在どの様に行動し、明るい豊かな社会への道筋を作れば良いのかを判断する事は非常に困難な事であると言えます。
それでも我々はこれまでも、積極的に物事を考え、遮二無二行動して参りました。
何もしなければ状況は変わりません。全てはこの地域や住まう人々の夢を叶える事や、自身が成果を収めるための大切な要素です。
しかし、まだまだ地域が抱える問題は山積している現状があります。
一人の呼びかけや行動で起こせるものは限定され、地域へ与える影響は小さいものになるでしょう。
地域に対してより大きく、前向きなインパクトを与えるのに必要な事こそ、これまで以上に地域との、そして仲間同士の信頼関係を構築する事だと考えます。
人に対して嘘偽りの無い心で接する、つまりは「誠」を尽くして接して初めて、「信頼」の絆を深める事が出来ます。
「誠」を以て得られた本心からの応援や協力だけが、その後の未来を好転させていく原動力になると私は信じています。
素晴らしい能力があったとしても、他者からの「信頼」無くしては輝くことは出来ません。
「信頼」は様々な能力を相乗効果を伴って増幅させ、組織のみならず、地域社会全体に至るまで良い方向に変えていく唯一の力であると考えます。
もちろん築き上げた「信頼」に応える行動には必ず果報があると信じ、他者の信頼を裏切る事は決してしてはいけません。
2020年度は多くの「信頼」を築くため、愛する地域に「誠」を尽くして参ります。

信頼される組織運営

我々は、地域から信頼される組織として、誰に対しても恥じる事のない公平公正な組織運営を行い、
倫理観、道徳観、社会的規範に基づき、愛する地域に誠を尽くして運動に臨みます。
まずは、財務の健全性を保つよう努めていかなければなりません。
事業毎の登録料と、会員の会費で運営を行っている団体である以上、地域や会員に対して確りと費用対効果を担保出来る審査を行って参ります。
青年会議所は、会議活動を通して事業計画を磨き上げ、より強い大きな運動を創り出します。
机上の事業計画を、真に効果のある運動へと昇華させるためには、質の高い議論を成し得る会議体としてのガバナンス管理が必要不可欠です。
その為には、定例理事会や公益財政審査会議といった会議の質を高く担保する必要があります。
会議の基礎となる議案書については、この時代に則したものを取り入れます。
会議や議案書について、「当たり前」や「慣例」の中に置き去りになってしまっている事はないか、改善や改良の余地がないかを確りと検証し、
現在の久喜青年会議所に相応しいかどうかを判断した上で勇気を持って取り入れる事で、展開する事業により良い変化を与え、久喜青年会議所の信頼を高めて参ります。
久喜青年会議所の円滑な運営には、会全体のスケジュールの管理、共有、会員への発信を一元化する事が効率的です。
本年度の総務委員会は、様々なツールを効果的に活用し、定例会議、例会、事業の正確な情報を会員に迅速に提供していきます。
久喜青年会議所は先輩方から「元気」という概念を頂き、今日まで継承して参りました。
現在では、「元気」は対外的に久喜青年会議所に対して真っ先にイメージされる「看板」のようなものであり、事業の推進や会の価値の向上に不可欠なものになりました。
「元気」を全うする事は久喜青年会議所のアイデンティティを継承する事にも繋がります。
久喜青年会議所らしく運動を展開する為にも、受け継いできた「元気」を確りと把持し、更に推進する事で愛する地域のために効果的な事業や運動を実現させていきます。

信頼を構築するまちづくり

インターネットの発達により、ウェブ上で有形、無形を問わず、あらゆるものが手に入る環境の整備が成され、市民の生活は大きく変化してきました。
それに伴って全ての「価値」に変化が発生しています。
以前は、商品やサービスの「機能」に価値を見出せましたが、現在は商品やサービスによって得られる「経験」や「体験」に価値が見いだされる様になりました。
我々の展開するまちづくりも同様の発想をする必要があります。
我々の地域では「新たな価値」を感じる事が出来るという認知が広がれば、市内外の人に対してまちへの興味や、明るい未来への期待を新たに創出する事が叶います。
言うまでもなく、交流人口を増加させることは、まちに活気をもたらします。
そのためにも、まちの事を徹底的に調べ、課題や魅力を抽出する必要があります。
情報や物が飽和している今日において、我々のまちでこそ発信出来、多くの人が共感出来る魅力を見出し、誠を尽くして愛する地域のために事業構築に取り組みます。
我々の地域は、利便性の高い鉄道網や道路環境から、東京に働きに出る我々と同世代の方が多く居住しており、その為の大型マンションなどの建設も近隣地域と比較して活発に行われ、今後もPR次第で更に若者を呼び込めるポテンシャルを持っている事が地域の強みの一つとなっています。
しかし、そのような背景の中、我々と同世代に向けたコンテンツがまだまだ不足している状況があります。
若い世代がこのまちにより関心を持ち、まちと繋がりを持つ事で、相互の信頼関係を生み出す事が必要です。
若い世代の方を中心に、更に活気のあるまちにするためには、同世代の我々だからこそ創り出すことのできる、インパクトのあるアイディアが求められています。
まちに住まう若い世代の方が郷土愛を持つきっかけに成る事が出来る事業を行います。

信頼が生み出す会員拡大

なぜ会員拡大をするのでしょうか。答えは「その人のために」です。
久喜青年会議所に入会し運動をする事は、自己の成長が約束され、今後生涯を共にする多くの仲間と出会える事と同義です。
そして我々と同じ志を持つ仲間を迎える事は、青年会議所における「人類への奉仕に対して率先して行動する」者を増やす事と同義であり、それだけでまちづくりの一端をも担えます。
会員拡大は人を変えることによってまちを創るという青年会議所運動の神髄と言っても過言ではありません。
我々は近年の会員拡大運動により、10年前と比べ会員の数が増加している稀有な青年会議所です。
これは私たちの運動の方向性が正しく、賛同してくれる方が多いという事の証左に違いありません。
我々の運動を構成する原動力は「人」と、人が信頼から連なった集合体である「仲間」です。
より多くの仲間が居るのであれば、事業の質や規模は更に高まり、地域に対し、さらに大きなインパクトを与えられる事業を行う事が出来ます。
その為にも、今年度は20名の正会員を迎え入れます。
高い目標であっても、それをやり遂げる意志を持ち、そこに向かって一人ひとりが行動する事が出来れば、必ずや達成出来ます。
そして、その強い意志を持ち行動する個人同士が「仲間」として、支え合う事が何よりも重要です。
青年会議所が人と人の関係性で成り立っている以上、会員同士の信頼関係は不可欠です。
会員拡大活動は単独の委員会で成し遂げられるものではありません。
会員拡大を行う委員会は確りと他委員会と手を取り合い、信頼から成り立つ「拡大ネットワーク」の構築を目指します。
私は、他の会員から信頼を得るには「ギブアンドテイク」の関係を構築する事が肝要であると考えています。
まず、会員拡大を牽引する委員会が、他の会員にその背中を見せずして協力を得られる事はありません。
創り出された会員同士の強い信頼は、更なる会員拡大のみならず、信頼を源泉とした大きくポジティブな潮流を生みます。
強固な会員同士の信頼関係を築く事は、まちづくりに対する我々の力を「量」と「質」双方の相乗効果で高めてくれるものであると確信しています。
それに加え、昨年度から始まったバディシステムを継承し、バディ活動を積極的に実施する事で会員同士の交流を活性化し、信頼の深化を図ります。
青年会議所の何たるかを理解した経験年数のある会員が、これからその道を行く経験年数の少ない会員に対して手を差し出し、導く姿は尊いものです。
入会年度の浅い会員から未だ見ぬ仲間の情報を得る事や、新しく入会して頂いた同志を迅速に地域活動への力へと成長させる事、退会者の抑制など、バディシステムのメリットは計り知れないものがあります。
久喜青年会議所会員同士の信頼関係をより強固なものへと築き上げる事で、地域への運動を更に加速させます。

信頼を築く広報

久喜青年会議所は創立以来、地域の問題に対して真摯な運動でその解決に取り組み、その情報や我々の存在価値を、時代に合った様々な方法を用いて久喜市周辺に住まわれている方へ発信して来ました。
しかし、昨今の事業の中で久喜市周辺の方々に行ったあらゆる調査からは、残念ながら「久喜青年会議所」や「久喜青年会議所の事業」は未だ周知されていない事が示されています。
地域に住まう人々に対して、久喜青年会議所を身近な存在として認識して頂く為には、愛する地域のために展開してきた我々の事業や、久喜青年会議所の姿勢を広く周知し、地域の方々からより強い信頼を勝ち取る事が必要です。
私たちの運動が更に認知されるためには、多くの人の共感が必要です。
私たちは市民や行政に存在意義や事業について今まで以上の共感を頂き、必要とされる組織と成らなければなりません。
昨今の広報戦略とその検証を鑑みると、チラシ等の「広告」の効果が低くなってきている事が分かります。
これは、市民がデザインなどの単純な刺激に慣れてきている事に起因していると考えます。
これまでとは視点を変え、地域の人々の話題に取り上げられ易く、馴染み深い情報を発信する事で、市民の共感を創出する広報戦略に舵を取らなければなりません。
久喜青年会議所が時代の先駆者として、時代に沿った課題を的確に捉えた事業展開を行っている事を示すと同時に、地域の方々へまちの新たな魅力や発見を伝えるべく、先進的で圧倒的な情報量での広報活動をして参ります。
そして、私たちの運動をより広く発信していくために、企業や他団体と手を取り合い、これまでよりも大きなスケール感を持った広報を行っていく必要があります。
久喜青年会議所のブランドが成長するためには、企業や他団体とのコラボレーションがきっかけと成り得ると考えます。
また、青年の団体として瑞々しい広報を行い、長期的なブランドイメージを定着させる為には、同じ事ばかりの所謂「定番」を続けるのではなく、新しい価値やイメージを起案し、地域周辺の方に驚きとインパクトを与える事が必要です。
更に、生きた情報を届けるためにも迅速な発信を行わなければなりません。
迅速かつ確実なコンプライアンス等のチェック体制を整え、地域の方々へと情報を素早くリリースします。
一人でも多くの方々に我々の作り出した誠を尽くした情報を届け、久喜市周辺の我々と同じ若い世代に、久喜青年会議所への信頼を感じる身近な存在として認知して頂き、また、久喜青年会議所の存在意義を知って頂く事で、全ての運動に推進効果を付加します。

信頼が結ぶ青少年育成

学研教育総合研究所が行った「どのような子に育ってほしいか(2018年)」のアンケート結果によると、親が子に求めている在り方について「社会で自立できる子」という自立性を重んじる事が必要とされている事が分かります。
社会環境がめまぐるしく変化を遂げている中、物質的な豊かさが進む一方、子ども達に無気力や無関心などの消極的な生き方が目立っている事が懸念材料であると示されています。
子ども達が成長をしていく過程において、様々な物事への興味や知的好奇心が高まる事により「やってみたい」といった動機が芽生え始める事が重要なのではないかと考えます。
子ども達が社会で「自立」をするには、自分で考え能動的に行動する「自律」が必要です。更には、日本経済団体連合会が行った「企業が学生に求める資質・能力、知識(2018年)」というアンケートにおいて、企業が最も学生に求める能力という結果であった「主体性」にも通じる能力でもあると考えます。
子ども達の自立性を高める事により、自分で意思決定をして判断する能力が養われ、より豊かな人生を送られるきっかけ作りをする事業を行います。
また、この地域が健全な社会として発展し続けるためには、未来を担う子ども達を逞しく育成していく事が重要です。
子ども達の現在の暮らしや、これから歩んでいく人生の中で、与えられた生活環境や強いられる人間関係は必ずしも平等ではないかもしれません。
しかし、どんな状況に陥ろうとも楽しみを見つける事が出来る価値観を得る事が出来れば、それは将来において多大なる力に転化出来ます。
子ども達一人ひとりが目的意識を持って達成に向けて汗を流し、子ども達同志で同じ目線を共有し、手を取り合って目標達成に取り組む事が出来る事業を行います。
自らの努力と自らが築き上げる信頼こそ、全ての子ども達に平等に与えられた人生を切り拓く大きな武器となります。
その先にある喜びを伴った達成感を与える事で、地域の宝である子ども達が、辛い中にも楽しさを見出し、更なる挑戦意欲を抱く事を目的とした事業を展開し夢や希望が持てる心を、誠を尽くして育んで参ります。
※みんなのいえが2020年1月から運営が他団体へと引継がれます。
みんなのいえで行われてきた事は子ども達の育成だけではなく、周辺地域でのコミュニティ創出などの重要な役割を担ってきました。
久喜青年会議所だからこそ構築出来る夢溢れる事業をこれからも構築し、社会課題を解決して参ります。

信頼に基づく自己成長

現在の久喜青年会議所は、近年の会員数増加に伴い、入会3年未満のメンバーが半数以上を占め、青年会議所の存在意義やどのような事業を行う事が然るべきなのかについて理解していない会員が増加しています。
地域や仲間からの信頼に足る同士を増やす為には、青年会議所についての基礎的な知識付与を行う事が急務です。
会員一人ひとりが研修等を通じ達成感を感じられる「学び舎」を築く事で個々が成長し、よりよい人財が増える事と同時に、会員同士の強い信頼関係を創出する事に通じます。
その結果、この地域にとって良い事業が行える組織になると確信しております。
一方で、私たちは人間力開発によって、地域の未来に貢献出来るより良い人財の育成をしていかなければなりません。
特に、次世代のリーダー足り得る会員や市民を増やす事は非常に重要です。我々が真に自己成長できるような人間力開発コンテンツを対外的にも発信する事こそが、地域の若い世代の成長を促し、市民や地域に対する信頼を構築すると考えます。
次世代リーダーの育成には、20年後、30年後の未来を的確に見据える事の出来る視座が必要です。
また、実際に真のリーダーシップを発揮するには、人間同士が互いに信頼し合える環境を構築する能力が重要です。
地域の未来にポジティブなイノベーションを起す人財を育成する事業を行います。
日本青年会議所本会が推し進めている2015年9月の国連総会で採択された国際目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」について、我々は2019年度に深い知識を得る事が出来ました。
本年度は、我々が発信する事業に、SDGsゴールやターゲットを設定して実際に事業構築する事で、社会貢献の一端を担います。我々が培ってきたSDGsに対する叡智を結集し、新たな持続可能な社会を見据えて行動します。
企業や他団体とのパートナーシップを生かし、我々が心から必要だと思えるSDGsの事業を地域へと波及します。
SDGsを軸にした事業の展開は、この地域に光輝く未来をもたらすばかりでなく、青年会議所運動の最終目標である「世界平和」にも資するものになると確信しています。

終わりに

私は青年会議所運動を通して様々な事を学んで参りました。
無償の活動の中で会員同士が切磋琢磨する久喜青年会議所だからこそ学べる「仲間との信頼関係の構築方法」は、その最たるものです。
ともすると、信頼とはあって当たり前だと思い込み易く、その存在を意識していない人が大半ではないでしょうか。
信頼は無意識のもので、その発生について根拠に乏しいものであるからこそ、いったん疑い始めると誰も信頼出来なくなってしまう性質があります。
だからこそ、自ら意識的に相手を信頼しようとする事が、結果的に相互の信頼関係を生み、人生さえも豊かに導いてくれると考えます。
青年会議所は、様々な例会や事業に携わる過程の中で、困難な道を手探りで進む時に自分以外の誰かが全力で応え、全身全霊で協力しようとしてくれる尊い組織です。
私自身に関わる事のみならず、そんな場面を目にすると強い感動を覚えます。
その感動が得られる機会を会全体に限りなく増やす事が、「この人だったら!」「このメンバーとだったら!」と、更に仲間に対しての「信頼の輪」を広げる事に繋がり、更に魅力のある組織を形作る近道であると確信しています。
その「信頼の輪」で繋がれたかけがえのない仲間と共に、この愛する地域のために誠を尽くし、青年会議所運動に邁進して参ります。

自分のために、地域のために信頼を築いて行こう!